晴れのちマンガ

中年視点でマンガを語るブログ

「血界戦線」異常なし

週刊少年ジャンプに連載中だった「HUNTER×HUNTER」が予想どおり、予定どおり、予定調和の休載に入った。大方のジャンパー(ジャンプを読む人、または葛西紀明)が薄々感じていたように、概ね単行本一冊分を書き終えての休載だ。個人的に大好きな作品で、ジャンプで一番楽しみにしているマンガなだけに残念でならない。作者のコメントによると、どん兵衛のために、年内に一回復活するらしい。ラブどん兵衛。一回が、一話を指すのか、一定の期間を指すのかはわからないが、ファンとしては、少しの安堵を覚えるところだ。まったく、どん兵衛には頭があがらない。どん兵衛といえば、あとのせサクサク、中年といえばあとのせフサフサ、同じあとのせ式同士、仲良くやっていこうと思う。しかし、全国のファンよりどん兵衛の方が影響力あるのね。

 

さて、今回紹介するのは、「血界戦線」 内藤 泰弘 である。

 

レオナルド・ウォッチ(主人公であると信じたい)は神々の義眼の所有者。常人ならざる者が見え、他人の視界を支配できる、割となんでもありの義眼。ライダーベルトよろしく、このギアを装着してるがために、世界の均衡を保つ秘密結社・ライブラに所属することに。義眼だけど糸目。

 

神々の義眼。義眼。目。目を奪われる。目もくれない。日の目を見る。目くじらを立てる。目と鼻の先。裏目に出る。人目に付く。御目に掛かる。目端を利かす。目から火が出る。親の欲目。目が届く。目に障る。目の中に入れても痛くない。目の保養。目を肥やす。目引き袖引き。目には青葉山時鳥初松魚。所さんの目がテン

 

視覚から得られる情報は八割を占めると言われている。それほど重要な器官。故に、目に関する言葉はたくさん存在する。それだけ、たくさんあるなかで、今、心の琴線にがんがん触れてくる言葉こそ、疲れ目。

 

はい、老化が進んでます。老眼こそないものの、細かい文字は確実に読みづらくなっている。 キラキラネームばりに読めない。百歩譲って、書類は読めなくてもギリ困るけど、一番困るのは、スマホで読むウェブマンガ。これが困るし、きつい。ウェブで読んだことないけど、「名探偵コナン」や「DEATH NOTE」は、文字多すぎて、たぶん無理ゲー。解説読めないから、ただ人が死ぬだけのマンガに成り下がってしまう。面白さ半減。頭髪も半分。中年になると、マンガすらまともに読めなくなるなんて、加齢って残酷。疲れ目の他に、かすみ目、弱り目なんかも、しょぼくれた中年を体現する素敵な言葉。老いって無残。そんな心身ともに疲れた中年に少年の心を取り戻させ、マンガ喫茶で、仕事と時間を忘れ、没頭させてしまうのが、このマンガ「血界戦線」。武装戦線も好きだけど、それはまた今度。

 

血界戦線」のタイトルからもわかるように、言葉の配列、チョイスがずるい。「神聖存在」「不可視の人狼」「世界崩壊幇助器具」。ほんとオラ、ワクワクすっぞ。年をとって、さっぱり覚えられないビジネス用語も、内藤先生に考えてもらいたい。そうしたら、すぐに覚えられるし、商談や会議も素敵になると思う。神聖存在からのトップダウンで、商品化が決定した、とか素敵やん。言葉って大事。

 

記事の大半が、老化に関することになってしまった。どうすんのこれ。この記事を読んで、「血界戦線」を読みたいと思う人がどのくらいいるのかは、正直わからない。無責任の極み。ただ言えるのは、年をとっても読みたいと思えるマンガだということ。そして、このマンガは、程よい文字数のため、目はそんなに疲れないことを申し添えて、締めの言葉としたい。